TURNBULL & ASSER。
イギリスの高級シャツメーカー、ターンブル&アッサー。
イギリス服が好きな方、シャツがスタイルのベースになっている方、
オフでもスーツを着る方なら知らない方はいないと思います。
レギュラーのシャツでも1着3万、シーアイランドコットンなら6万。
一般庶民が、そろそろシャツ買うか、というくらいの気持ちでは
まずラインナップの構想には加わらないでしょう。
この2枚は1960年代のターンブル&アッサー。
パターン以外はサイズもデザインも全て同じで、
2枚並んで見つかったことから考えると、
一人の方が柄違いでオーダーしたものと思われます。
現在のラインナップはそのほとんどがフォーマルなドレスシャツ。
スーツに着ることが前提なので、目立たずスーツと調和して、
仕事の場で浮かない、となると当然色柄は地味になります。
おそらくそれは昔も同じ。
しかも基本的に既成服のみの展開なので、このような
人もスーツもTPOも限定されるインフォーマルなデザインは
例外、つまりオーダー以外にあり得ないと思います。
スーツの着方やルール、シークレットコードなどを
熟知した上でないとこういうシャツは着られませんが、
それはあくまでスーツに着る上での話。
例えばハリントンジャケットから少し覗かせるインナーに、
袖を捲ってボタンを一つ多めに外してミリタリーショーツに。
50年近く前の一人の稀有な傾奇者のためだけに存在し、
その手元を離れていったん役目を終えたこの2枚のシャツも、
時代を超え、シーンが変わることで、もう一度輝きを取り戻します。
では明日の予告。
Anti Nocturnalist
late 1950's / early 1960's
Dressing Gown
viscose
unknown / England
グレーベース。シャリ感のある春夏用。
着丈が長く、エレガントな様相。
夜行性のイメージから抜け出た清涼感。
Military Imitator
late 1980's
Jacket / Coat
workwear cotton
Miss Britt / West Europe
無機質なコミュニストカラー。
留め具は上部のみに集中し、全て金属製。
ミリタリー&トレンチコートの80'sアレンジ。
Reworked
mid to late 1960's
Smock
flannel cotton
unknown / unknown
リアルなフランスの労働服ではなく、
あくまでソースとして捉えたファッションウェア。
不必要な切替。リアリティのない汚れ。
Non-stretch Drainpipe
late 1980's / early 1990's
Jeans
rigid denim
unknown / England
ドレスとパンクス、相反する2つのテイスト。
ストレッチの効かないスーパースリム。
トップはベルクロ。ストイックな体型維持が条件。
Authentic
1930's / 1940's
Trench Coat
cotton
Burberry / England
この時代から既に完成された形。
一枚接ぎの、直線的なラグランスリーブ。
ミリタリー、スポーツ、エレガンス。
身に付けることが1つのステータスに。
ではまた明日、よろしくお願いいたします。