特徴的なミリタリーデザインをそのまま使うのではなく、
なんとなく、雰囲気でらしさを伝えるM.ハウエルの一着。
パッと見でソースがバレる服のように、ただのコピーで
終わらない、デザインの奥行き、立体感があります。
まさかこんなところで、ってくらいの、スラムのような
貧しさと猥雑さが入り交じる街で見つけました。
日本の代理店を通していないので、サイズもデザインも
イギリスで企画されたそのままの状態。
1980'sのChristian Diorのシャツは
今はなきJEUNE HOMMEラインから。
ロゴでみせるチープな手口に見えますが、
実はそこよりも、こんなにワイシャツ然としていながら
ボーイズのサイズ感と裾のカットで
ビジネスルックにみせないところが本当の肝。
1960'Sのイタリアのスーツスラックス。
当時、国内で生産・消費されていた大衆服です。
LEONに載るような華やかなイタリア服ではなく、
100%天然素材でもなく、ファッションの要素も薄い。
どこまでもローキーなデザインに50年前のリアリティ。
ありふれた、low keyなカラー・デザインでも、それぞれが
イギリスだけの企画、現行にはないボーイズライン、
イタリアの古い大衆衣料と、どこでも手に入る服とは違う
バックグラウンドを持っています。
肌触りとか軽さとかの着心地ではなく、そうした背景を知って
得られる、心理的、内面的な着心地の良さがある3着。
今週の一着。
今まで展開を控えめにしていたオリーブを、
今週のキーカラーに1ラック作る予定です。
ミリタリーの粗野な印象があるカラーを、
色の美しさや、ファッションとしてもう一度
見つめ直してみたいと思っています。
イギリスのシャモアレザーを使った、
レザーウェアメーカーのウエストコート。
質の良いイタリアのレザーにも共通する、
ベルベットのようなふわっとした触り心地。
ではまた。