イタリアンスタンダード。
ボタンアップ&オールリブ。革はヤギかシカ。
端的に言えば、これがイタリアのレザージャケットのスタンダードです。
ヴィンテージレザーにおいてはバイカージャケットが圧倒的に強いですが、
その中核を担うアメリカやイギリスのバイカージャケットのデザインは
元々イタリアには存在しません。万一古いものがもしあったとしても
それはあくまで変則で、イタリア独自のデザインではないはずです。
だからといってこのタイプですごく古いものがあるかといっても
今のところ手にしたことはないんですが汗、それは僕の力不足以外に
革の耐久性、牛や馬と比べると長持ちしないという要因も大きい気がします。
元の用途もデザインもまるっきり違うので比較も難しいですが、
あえて馴染みのあるアメリカやイギリスのレザーと比べてみると、
耐久性はまず間違いなく劣ります。言わなくても分かることですね。
これを着てバイクでスっ転んでも、あなたを守ってはくれません。
一生モノにも、おそらくほとんど着ずに保存してないとなりません。
その反面、軽くて着やすい。長い時間着てても疲れない。
現行の安くて薄いラムレザーなんかと比べられたら困りますが、
ヴィンテージレザーにおいては群を抜いて軽いです。
タッチもブラウンの方なんてまるでシャモアレザーのような質感。
一般的なスエードとは重さ、硬さ、キメ、全てが違います。
あともう1つ、これは個人的な主観も入っていますが、
着ている姿に力の抜けた、人としての余裕を感じるんです。
あの人うまくいってるんだろうな、と思わせるような空気感。
レザーなのに、背伸びをしなくても無理なく着られる。
それもそういった印象を与える要因かもしれません。
硬質の表革が与える力強さ、男くささも一つの色気ですが、
対照的にイタリアのレザーは穏やかな、優しい色気です。
身頃には余裕があり、中の演出もかなり応用が効きます。
その割にはボテッと、野暮ったく見えないのが不思議。
シャツ&タイとか相当イケてます。いつかスタイルで紹介できたら。
元々は車を運転する際に着用したと言われるこの手のレザージャケット。
今ではファッションクローズでも、元々は実用服ということでしょうか。
まだまだ掘り下げる余地はありそうですが、今回はこの辺で。
スタンダードとは真逆の、イレギュラーなレザーもアップしました。
あっちがイタリアの正統派なら、こっちはイギリスの異端派。
こんなヘンな服を(デザインの話じゃないですよ)、真面目に考えて
作ってるイギリス人を想像すると、なんかかわいくて笑えます。
ルックスはいたって硬派ですが、撫でてやりたいくらいその存在が愛らしい。
Leather and Lace web store
それではまた。