今回はvalentino。
ご存じイタリアのラグジュアリーファッションを代表するブランドです。
正直あんまり動向見てなかったですが、F15のメンズカッコよかったです。
で、こちらはそのjeansラインからのベースボールジャケット。
まあスタジャンと呼ばれる類のジャケットですが、
これがリリースされたのは恐らくearly 90's。
世間的にもファッションにおいても、日本でも世界的にも
環境環境と、いきなりみんなが騒ぎだした時代です。
エコロジーとか、「環境にやさしい」といった言葉が流行り、
環境に悪そうなものには厳しい目が向けられて、
糾弾されるようになったのもこの辺りからだと思います。
からのこの"ENVIRONMENTAL COUTURE"。
そんな時代だからこそ、「環境を意識しています」と、
声高にアピールしているようにも見える胸のスローガン。
動物の毛皮を使ったブランドがこれでもかと叩かれて、
チープなアニマルプリントが流行るような時代ですからね。
ヴァレンチノはその空気に敏感に反応したんだと思います。
一つ一つのパッチも手間とコストがかけられています。
ただのナンバリングやブランドネームのレタリングで、
アメカジのスタジャンをトレースしただけのものとは違います。
当時のvalentinoに見られるマスキュリンフィットなシルエットも
一般的なものとは明らかに別モノ。
当時のストリートブランドはまさに焼き直し一辺倒だった記憶が・・・
でもそれが時代に合ったデザイン、やり方だったんですよね。
今見たら懐かしいとは思えても、面白いとは思えないかも。
そう考えると余計このジャケットの違いが分かる気がします。
スタジャンベースだけど、アメカジ感を一切排除したデザイン。
スタジャンにデニムが当たり前、というかむしろイケてた20-25年前に、
これをカッコいいと思える感覚をはたして持っていたかどうか。
長い時間をかけてようやく手が、感覚が届く距離まで降りてきた一着。