対のニット。
vol.7はイタリアのサイクリングジャージです。
自転車競技にもいろいろありますが、これはロードレース用。
1つのトラックをぐるぐる何周もする競輪のようなレースではなく、
主に公道を1日あるいは何日もかけて長い距離を走るレースです。
例えばジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランスなんかは
僕も含めてロードレースを知らない人でも知っているほど有名ですね。
ウェアの話に移りますが、イタリアに行くまで、僕の中での
サイクリングジャージのイメージはだいたいこんな感じ。
自転車に乗る人以外であんなの着る人いるのか?っていう。
半袖でピタピタだから、痩せた身体が余計に強調されるし、
ナイロン地のものなんてもう街着としては論外だし、
派手なカラーリングも含めて、考えるまでもない服でした。
それが、何度となく登場しているローマで見つけた一着、
この一着との出会いで、全てがガラッと変わった。
イタリアにしかないものをやっと見つけた気がしました。
それで今回の2着。
調べてみると、レース(競技)用は基本的に半袖で、
長袖はメカニックかメディカルスタッフ、あるいは選手用の
レース前後に着るウォームアップがメインと分かりました。
下はおそらく冬のレースの風景だと思いますが、
長袖のジャージではなく、半袖の下に無地の長袖を
重ね着しているのが分かります。
また、古くなるにつれて素材が化繊からウールに、
チームやスポンサーネームもプリントから刺繍に、
色も少なく、また地味になっていくことも分かってきました。
今回の2着はその条件が全て揃ったもの。
数百着は見たと思いますが、手に入ったのはこの2枚だけ。
こんなのロードレースの本場でなきゃ見つかりません。
このSansonはジェラートのメーカーですが、
ヘタしたら本業以上にプロチームが有名です。
チームカラーはグリーンとブルー。
現存する中ではだいぶ古いものです。
これはイタリア・トレヴィゾにあるチームのもの。
マイナーですが、ブラックはサイクリングジャージに
おいてはまず使われないベースカラーです。
刺繍もリブと色を合わせ、一文字一文字丁寧に施されています。
先日紹介したショーツは挑戦的な要素がやや強めですが、
この2着は見慣れない、着慣れない人でも難しくないはず。
半袖も全然アリだな・・
まだまだ魅力は伝えきれていませんね。
イタリアならではのヴィンテージスポーツウェア。
先日も載せましたが、ファッションクローズとしても
プラダなんかがソースとして使い始めています。
いずれはスタイルとしても紹介していけたら。