ご無沙汰しています。
税関といくつか揉めてしまい、昨日ようやく最初の荷物が届きました。
ずっと考えてきたレザーアンドレースのラインナップでスタイルを完結させることを念頭に、
今回は今まで欠けがちだったファンデーションになるアイテム、ワンオフなものがより輝く服を、
特にイギリスではメインに探してきました。改めて箱を空けて、そんな感じです。
もう半ばクセになっている見慣れたものから目をそむける姿勢を少しずつ見直して、
目新しさ、瞬間的な熱量ばかりに浮かされずスタイルの組み立てに重心を置いて、
果たして自分だけのカラーが出せるかすごく不安な部分もありますけどやってみます。
もう1つのテーマは「low key」。
それは、以前から知ってはいたけど正直あんまり興味のなかったトレーダーのストールで
ハンガーを繰っていた時、「いったいキミは何が欲しいんだ?」と聞かれたのがきっかけで、
色んなやり取りを交わす中で「キミはlow keyが好きなんだね」と。そこで覚えた言葉です。
落ち着いた、控えめな、っていう意味は、キーが低いって言ってるので伝わると思いますが笑、
日本語だとものすごくありふれた表現で。他に言うことないんだな、って邪推してしまうくらい。
もはやそれを聞いたところで全く響いてこないので、改めてそのテイストを伝えるフレーズとして、
ラインナップのテーマに使いたいと思います。
まずはイギリス便から手入れのいらない、生のものから出していきます。
イタリア便はどれも通関中だったり、向こうがインボイスを付けてないことでトラブルの最中に
あったりと、とりあえずまだ届いていませんが、直接持ち帰ったものを少しだけ。
Griffinのボディウォーマーならぬ、ボディアーマー。
もう名前を見なくてもGriffinと分かるデザインだと思います。
ミリタリーウェアがソースになっているのはすぐ分かりますが、
素材感をもう少しソフトにしたり、デザインも足したり引いたりして。
late 90'sのイタリア製ですが、時代の匂いはしません。
今回はイギリス軍の実物もあるので比較してみてください。
イギリス製のボディビルダーシャツ。
アメリカの匂いや、サイズがバカデカいだけ、なんていう
ボディービルダーの安っぽいイメージを真っ向から否定。
これだけにしかないデザインとサイズバランス。
ただびろんと伸びたサイズの大きいスウェットじゃないです。
ウィダーのワンポイントがなければ現行でありそうですが、
そのマークが図らずも抜け感と違いを作っています。
イギリス軍のトレーニング用トラックパンツ。
ウエストはゴムですが、両脇のポケットや裾のジップ、
丈夫なドリル地にテーパードフィットと、トレーニング用なのに
ほとんど一般的な服として通用するパーツが揃っています。
古着だと作りが安っぽかったり、若くないと履けないものばかりだし、
かといって新品だとありがちで、今度はイメージが安っぽくなる。
そんな隙間をこれは埋めてくれると思います。何本かあります。
イタリアのレザージャケット。
ラムやディアなどのソフトなレザー、ボタンフロント、オールリブ。
ややジャンクなんですが、ブラックの表革なのがすごく新鮮で。
ブラウンカラーのバックスキンというスタンダードを知らなければ
新鮮も何もないですが、数百枚に一枚くらいの異端な組み合わせ。
バイカージャケットとは比にならない、身構えなくても着られる
柔らかさ、軽さ、肩の力が抜けた顔がイタリアンレザーの魅力。
イタリアンレザーの、今度はパンツ。
ウイメンズかなと思いましたが、表記や合わせからしておそらくメンズ。
とにかくソフトで、レザーパンツの威圧感がどこにも感じられません。
形はやや股上浅めのテーパード。バックポケットがつかないスマートで、
ストイックなデザインです。名前が付いていないので、何の先入観もなく
無垢な状態で初めての体験ができると思います。
バーバリーのインディゴ染めされたコットンニット。
フロントに大きくブランドネームが入った、なかなかキツめなデザイン。
ニットに刺繍という90'sの至りと、バーバリーの高級なブランドイメージ。
食傷気味なインディゴというジャンルに小石を投げるくらいのインパクト、
ポテンシャルは持っていると思います。
その名もBurberrys Blues。本気なのかジョークなのか、バーバリー。
イギリスのファーニチャーチェーン「habitat」の、大容量ホールドール。
実際お店に入ったことはないですが、おそらく現在バッグの展開はないと思います。
北米テイストな素材と、イギリスらしいバッグのデザイン。そしてhand made in India。
80'sのプロダクトだと思いますが、ビニールなどの化繊を使ったものが多い時代に、
しっかりとナチュラルファブリックを使用している点が評価できます。
SASのブラッシュカモというと、スモックかオーバーパンツしか思い浮かびませんが、
それらが再構築され、まったく違う服に生まれ変わった一着。
当時のカスタムだと思いますが、それは現代では稀有なデザインからも読み取れます。
ポケットの形を変えたり、スナップを付けたり、中途半端に切り貼りしたものではなく、
本格的に作り変えているので、異質感もすごい。オリジナルでは存在しない形なので
希少性などに捉われず、服としてニュートラルに面白さを感じられると思います。
ミリタリーは他にもインスタに上げたサブマリンジャンパー、RNのベンタイルパンツ、
HI-TECのトレーナー、他にも一点物を若干ですがラインナップに加えます。
イギリスのニューウェーブスーツ。1980'sらしい一着。
まるでシャッターを長押ししたようなスペーシーなフレックパターンで、比較的多い
ニューウェーブツイードではなく、スムースで都会的な素材が使われています。
もちろん当時のクセは若干ありますが、肩の張り具合もそれほどハードではないので、
然るべきタイミングがあれば、気恥ずかしさなく着られるスーツだと思います。
シャツ+タイもこのスーツに限っては新鮮だし、黒のハイネックで着流すのもアリです。
もし余裕があれば、こちらではなくインスタの方にあげていきます。
そうでなくても作業がてんこ盛りなので期待はしないでください。
それでは本日もどうぞよろしくお願いします。
Leather and Lace