自転車ロードレースの本場、イタリア。
上は、そのイタリアを初めて訪れた時、
ローマで見つけたサイクリングジャージです。
一瞬でお客様の元に行ってしまいましたが、
これををきっかけにすっかり虜になってしまった
イタリアのヴィンテージサイクリングウェア。
当たり前ですがスポーツウェアなので、
自転車競技に特化したデザインであればあるほど
タウンユースからは遠ざかります。
肌に吸いつくようなツルツルした素材、
補給食やボトルなどを入れるためのバックポケット、
派手なカラーやチーム・スポンサーのプリントなどは
競技用として作られたウェアはほぼ不可避の条件です。
一つも当てはまらないものはほぼないと言っていい。
また、サイクリングウェアは”なんちゃって”がほぼ存在しないので、
無理なくタウンユースに馴染むようなデザインは、それこそ
針の穴を通すくらいの確率でしか見つかりません。
上の一着はただルックスがイケてる、というだけではなく、
自然素材(ウール)、地味な色合い、文字もプリントではなく刺繍と、
コンディションも含めて、タウンユースとして取り入れられる
厳しい条件をパスした一着でした。
PRADAのSPRING 2016から。
日本では馴染みがないのは当たり前ですが、
イタリアですらメッセンジャーとかに限られるほど、
タウンユースとして着られる例はごく稀です。
でも、だからこそ面白い。
せっかくイタリアに直接行っているからこそ、
(いや、これが1つの目的と言ってもいいくらい笑)
他にはない、このイタリアのスポーツウェアの
魅力、可能性は強く伝えていきたい。
例えばアディダスのジャージがアリで、
サイクリングジャージがナシというのは、
デザインの問題ではなく、完全に認知度の違い。
ニュートラルに服として見れていないだけです。
少しずつ、そのつまらない壁を壊していきます。
イタリアのサイクリングショーツ。
おおよそ1960-70'sの古いものです。
他にも何枚かありましたが、ウールだからこその
虫食いや摩耗があるものはパスしました。
ウール地という時点で現行には存在しませんし、
現行の素材に刺繍が施されることもまずありません。
簡単にいえば、もうこんなものは作られません。
ずっとジャージのことだけしか頭になかったので、
フィレンツェでこれに出会った瞬間は衝撃でした。
確かに上記の条件をしっかり満たしてるんですよね笑。
トップスしか頭になかった僕のイメージがどれだけ狭く、
ちっぽけだったかを思い知らされた瞬間でした。
あまりに軽々と想像を超えてきたのでゾッとしました笑。
ダークトーン、素材合わせ、スポーツミックス・・
色んな要素がありますが、一つの着用例です。
同じくブラックのスキージャケットは、
ロンドン・ピカデリーサーカスのど真ん中にある
スポーツウェアの老舗、Lillywhitesのオリジナル。
グレンフェルとか好きな方は目にしたことある名前かと。
ちなみにこちらはスイスメイド。スイスといえばスキー。
国も競技も違いますが、上も下も本場モノです。
ハードルは高いですが、ショーツ=夏、という
既成イメージを超えていきます。
ぜひ挑戦してほしいジャンル、アイテムの一つです。