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ろくに文化も知らず、バカンスシーズン真っ只中にイタリアを訪れ、
店が軒並み閉まっている憂き目を見たことは恥ずべき失態でしたが、
イタリアの「夏の服」を見られたことは補って余りある収穫でした。
夏に冬の服は見られても、冬に夏の服は見れません。
事実12月に訪れたときは、半袖シャツなんて一着もなかった。
2着の半袖シャツ。
どちらもイタリアにおいて、イタリア人によって、
イタリア人が着るために作られたシャツです。
同じMADE IN ITALYでも、ステータスとして
対外的に発信するMADE IN ITALYとは別物。
トニックシャツに至ってはITALYの文字すらない。
自分たちで作って、消費するのが当たり前の時代。
ITALIAなんて書く必要なんてないですからね。
外に出なかった、出す意図もなかった、
自国で生まれ、自国で着られ、自国で生涯を
終えようとしていた、純度100%のイタリア服です。
今日も引き続きテーマは「tranquillo」。
渋谷に行ってからfacebookアップします。
（どうせやらないだろ・・。） や、やりますよ。
それではよろしくお願いします。
地味な服が続きます。
もちろんそれが狙いなのです。
なぜ涼しくなってからのタイミングで？って
いうのはちょっとストレートすぎる疑問。
ニット＋ショーツ、ジャケット＋ショーツ、
なんて組み合わせはむしろ今からです。
夏全開のショーツはそろそろ仕舞う準備。
これからは晩夏、初秋に向けたショーツの出番。
バーバリー、フレッドペリー、Steegan。
テニスショーツにバミューダショーツ。
どれもシーンは違っても実にイギリスらしい。
ブランドを強調するのはテーマに沿わないけれど、
これらは見ての通り、名前はあくまで付随的な要素。
名札で人目をひくようなモノじゃないです。
伝えたいのは名前よりも、ちゃんとそれにふさわしい
素材と仕事が備わっているということ。
ウール、コットン、リネン。
みんなそれぞれ天然素材100%。
ピッチのこまかいスティッチング、
一つで十分なのにもう一つボタンを増やす心遣い、
どんなに激しく動いてもフロントが開いたりしない
スポーツウェア本来の機能的な配慮。
たとえば良い靴は、名前が表に出てなくても
その良さが一目でわかるのと同じように、
見る人が見れば、なにも特別な人ってわけじゃなく、
普段から良い服、良いモノに触れている人、
触れるのが好きな人、そんな人達が見れば
必ず伝わる素質がこの3枚にはある。
自分が言える立場では全くないけれど、
何かを自慢する人はどこか下品に見える。
中身が伴っていないことの裏返しに聞こえる。
ブランドばかりを強調する服、モノに関しても
それはおんなじじゃないかな、と思う。
色に関しては、今回は派手な色を使わない。
静かに、穏やかに、がtranquilloのテーマ。
まずはじめはイギリスのダービーシューズから。
グリーンのバックスキンが使われている一足。
モニターによってはグレーにも見える、枯れたような
ドライグリーン。季節で言うなら秋のグリーン。
服装に、はっきりとした強い色が多い夏に履くよりも、
静かな色がだんだん増えていく秋に映える靴です。
こないだ実家から帰京した友だちの家にいって、
いない間ほったらかしにして枯れかけた植物たちを
（・・ざまみろ）と冷ややかな目でみてたんですが、
そんな枯れた緑も、季節が変わっていくとともに
部屋に、空気になじんでいくのかも。
次の土曜日は少しだけ秋色を足そうと思います。
それではまた。
もう月曜日なので滑り込みアウトですが、
これでいったん2週ほどミリタリーウェアから離れます。
今日の2つはロイヤルネイビーから。
1つ目はA.W.D.（アクションワーキングドレス）。
デッキでの作業用だと思いますが、ドリルの厚みや
ポケットのデカさなど、ジャケット寄りな作りのシャツです。
現行AWDは完全にシャツなので、名前だけです一緒なのは。
ドリルはBRITISH ARMY、ライトブルーはRAFの方が
どちらかというと一般的ですよね。
なのであまりRNらしくないというか、なんかヘンな感じです。
2つ目はリネンのグルカトラウザーズ。（あくまで通称）
海軍で、白で、しかもリネンというニセモノのような一本ですが
1942年製なので、一般的なグルカよりこっちの方が先輩。
もうcc41が始まってるので、長持ちさせる意図が実はあった？
のかもしれませんが、リネン地の品質がバカみたいに良い。
今のリネンが安っぽく見えてしまうので注意が必要です。
本日は撮影のため夕方までこちらを空けるので、
本日いただいたご注文の発送は明日以降になります。
今回のテーマの一発目は何にしようかな。
それではまた。
「ナポリはニューヨークみたいな街だ」
ナポリで知り合ったサプライヤーに半ば強引に誘われ、
彼のウェアハウスまで連れて行ってもらうその車中で
ナポリはミラノやローマとかと全然違うねと聞いたとき、
彼はナポリのことをそう話していました。
雑多で、ゴミゴミしていて、人種も多く、街は喧騒と
貧しさに包まれ、人々はみんなギラギラしている。
僕の頭の中にあるイタリアからはかけ離れていて、
確かにニューヨークってイメージの方が近い気がした。
その時ふと、予定にあってまだ訪れていない街、
ボローニャってどんなとこなんだろうかと、彼に
「ボローニャはどんな感じ？ナポリに似てる？」
と聞いてみると、
「全然違うよ笑。ボローニャはどちらかというと
フィレンツェに似てるね。tranquilloだ」
tranquillo。
辞書には「平穏な、穏やかな、落ち着いた」とあります。
ナポリでは常に耳に、頭の中に鳴りつづけていた
車やバイクのエンジン音や人がガヤガヤ騒ぐ声。
そんな音や声が、ボローニャでは、少し中心から
離れるとスッと消える。足音が聞こえるような静けさ。
tranquilloの意味を身体で覚えた感じがしました。
ヴィンテージクローズに触れるにあたって、
レアリティやブランド、年代、そういった要素から
離れることは難しい。最近つくづくそう思います。
そこにいるだけで常に騒がしく、頭の中で、
身の周りで鳴り続けているナポリの喧噪のように。
フィレンツェやボローニャのような平穏がほしい。
少しでも喧騒から離れて、静かに服を楽しみたい。
今回のテーマ「tranquillo」はそう思ったことがきっかけです。
あくまで僕の世界での話なので、それがどう受け取られるかは
分かりませんが、レアリティや古さばかりが取りざたされる服、
色、デザイン、そういった通俗的なヴィンテージ観から少しでも
離れて服を楽しんでもらえたら、という願いがとどくような
ラインナップを作ってみたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。それでは。
HI-TEC製のイギリス軍ベルクロサンダル。
リクエストがあったのと、いくつか手に入ったのとで。
イギリス軍のサンダル、って・・。
年中寒いか涼しいかの天気なのにいつ履くんですかと
聞きたいくらいですが、おそらく暑い国や地域で活動する
人たちが履くものだと思います。
実用性が100%だから見た目は正直ダサいです。
さすがにスーパーに売ってるほどではないにしても
イギリス軍、HI-TECの名前ありきなところは否めない。
でもそれがミリタリーウェアなんです。
こういう目的があるからこうやって作って、結果こうなった。
すっぴん。むきだし。素ぽんぽんの実用デザイン。
だからこそファッションクローズとの対比で映える。
見た目ばかりを気にしてる服にぶつけてこそ表情が出る。
ミリタリー"ルック"じゃ弱い。境界線がボヤける。
純正ミリタリーじゃないとダメなんです。
スーツとか、ジャケパンとか、
夏ってところに注目して冬装とか、
できるだけ遠くにある領域を探してみてください。
それがこのサンダルの新しい居場所。
トレーナーの方もいずれ紹介します。
では今週からのテーマの話に続きます。
今日はイギリス軍のユーティリティショーツ。
もう秋物に切り替えているところも少なくないですが、
夏のあいだは夏物もアップしていきます。
この形で並べるとなんだかマヌケな絵。
1つ目はブルードリルと呼ばれるトロピカルショーツ。
N.P.の略を調べましたがそれっぽいのがNaval Prisonしか
出てきませんでした。色だけ見ればロイヤルネイビーですが、
アーミーとネイビーの見分け方がいまいち分かりません。
この中でも一番ワイド&ショートの、かわいらしい形です。
2つ目はロイヤルネイビーのホワイト。
今年はホワイトの下が復権しましたね。例年になく多い印象。
だから推すわけではないですが、イギリス海軍という特別感が
ありながら、履いてても誰も分からないプロファイルの低さ。
いかにも「どうだっ」ていう感じがないところが推す理由です。
3つ目はもうお馴染みのグルカショーツ。
店舗でも、ふーん、って感じのリアクションになってきましたが、
これ一枚手に入れるのがどれだけ面倒か・・。需要がなければ
これにかける手間とお金は他に回したいくらいのものです。
まあ裏事情はいいんですが、ドリル地は履いていくとくたくたに
見えてくる生地なので、このパリッとした清潔感は貴重です。
今日はもう一回アップします。
あーイタリア戻りたい・・笑。
痛めつけられるとその時は辛くても、
時間がたつと恋しさに変わるのが不思議。
「涼しいイギリスと暑いイタリア」のイタリア編は
来週にアップします。それでは。
今回はイギリス軍のシューズ。
1つ目はキャンバスプリムソール。
無印良品と言っても分からないような、上履きライクなデザイン。
汚れが目立つホワイトと違い、ブラックは少しくらい汚れても平気。
サイズは10。平べったくて長い靴はそれだけで一つの演出効果。
2つ目は大きなブロードアローが入ったブーツ。
他の2足はGeneral Serviceですが、これだけは用途が特殊。
スティールキャップやコンダクティブソールなど作りも特殊。
丸みのある形や革の質感がイギリスらしくないのもまた特殊笑。
3つ目はアミュニションブーツ。
ゴツい近年モノか、古いものもフルスタッズがほとんどの中、
これは着用しやすいスタッドレスのドライバーズタイプ。
ガシガシ履くためのブーツなので刺激や衝撃にはめっぽう
強いですが、それでも履くならきれいな方がいい。
来週からのテーマ・ラインナップはややミリタリーから離れるので、
今週はミリタリーウェアをもう少しアップします。
来週のキーカラーの一つ、アイボリー。
先日の土曜日はご来店ありがとうございました。
久しぶりなので時間もかかり、失態もあり、緊張しました。
ということで、ウェブの方も運転再開します。
ニューリリースの中からブランドにフォーカスして、3つ。
YSLはみたまんまです。特にコメントもありません。
BOYはS&Pのボディを見たことがないのでコピーかなと。
ヴィンテージスウェットのような襟ぐりの広がりやフィット感。
ファンとしてはリバイバルとの差別化は必須です。
Workers for Freedom。
教えたいけど教えたくないイギリスのデザイナーズ。
僕はこれを含めてメンズは2着しかみたことがないですが
虜になるにはそれで十分でした。
そこはかとなく漂うエロティックなにおい。黒い手の上から、
親しい人にTouch & Hugしてもらって下さいませ。
今日は風が少し涼しかったですね。
それではまた。
P.S. 遅くなりましたが、TSKくん紹介ありがとうございました！
先日の記事にちょいちょい書いたように、
これからはただ新しいものを漠然と並べていくのではなく、
今までのものと組み合わせて、テーマを設定して展開します。
ただ、お盆休みの関係もあり、お直しやクリーニングが
間に合わないものが多いため、明日はノンジャンルです。
以下は今後のざっくりとした予定です。
1週増えたり減ったり、間に何かを挟むことももしかしたら
あるかもしれませんが、ほぼこの順番で進めていきます。
テーマ「tranquillo」
「ボローニャはどちらかというとフィレンツェに似ている・・」
ある会話に出てきたtranquilloという単語の意味に焦点を置き、
ブランドやレアリティなど、ヴィンテージに求められがちな要素から
少し距離を置いた内容を、2週に渡り展開します。
テーマ「blue indulgence」
できるだけ多くの色を使うことを心がけながら、どうしても自分が
頻繁に着るblueが多めになってしまう土曜日のラインナップ。
だったら一回くらい思いっきりblueにふけってみようと思ったのが
きっかけになりました。blueに絞った内容を2週に渡り展開します。
テーマ「Fiere Italia」
前回展開したイタリアンフェアをイタリア語に直しただけですが汗、
今回は更にアイテム数を絞って、僕が考えるイタリアンヴィンテージの
エッセンスが伝わるような内容を2週に渡って展開します。
テーマ「beat-up & discolouration」
beat-up（ボロ）という現地で使われる言葉の響きに惹かれ、
普段はほとんど取り扱わないボロや褪色にあえて焦点を当て、
それだけで構成したらどうなるか、実験的な内容を1週展開します。
まだ不確定な部分もあるので追ってお知らせします。
若干タイトルが変わってますが、ブログに掲載した内容がどのテーマに
当てはまるものかチェックしていただけたら、それぞれのアイテムが
店頭に並ぶタイミングが把握していただけると思います。
では今日リリースするアイテムを、「涼しいイギリスと暑いイタリア」の
二、三から抜粋した画像ですが掲載します。
基本的に内容は夏物が中心ですが、少し上着なども用意する予定です。
その他はまた店舗の方からfacebookにアップします。
どうぞよろしくお願いいたします。
では店頭の方で。