それでは今回は、イギリスでの成果の内容を紹介します。
古いラバライズマック。衿にワッペン跡があるので
おそらく鉄道職員への支給品だと思います。
今までいろんなラバライズマックを扱ってきましたが、
ここまで柔らかくなったものは記憶にありません。
古いものはバリッとした質感のものが多いですが、
これはくしゃくしゃに丸められる柔軟性があります。
どうしたらこんな状態になるのか。過程が知りたい。
イギリスの古いライディングジャケット。
100年近く経っていると思います。
いろんな部分にカーブがきいています。
ラペル裏にまでボタンがついています。
裏のスティッチングもデザインのよう。
肩も緩やかで、これだけすんなりフィットしてしまうと、
100年という時間の存在が消えてしまわないか、
その時間の長さが雑に扱われないか心配です。
Selfridges(セルフリッジズ)の一着。
イギリスではHarrodsに次ぐ規模の高級デパートで、
日本でいうと、新宿伊勢丹に近い印象。
これはそのSelfridgesが1920,30年頃に販売した
オリジナルのスキージャケット。
首元まで留められるボタンやオフセンターフロント、
リュックを背負った時に肩の摩耗を防ぐ補強布などに
原始的ではあっても状況への配慮が見られます。
ALPINE SECTION。
Selfridgesの中に、山岳用のウェアやグッズを扱っていた部門が
あったことが分かります。ウインタースポーツがまだ富裕層向けに
限定されたレクリエーションだったということですね。
キャンバスのクリケットブーツ。
50年代頃のデッドストック。
底にはスパイクがついていて、「これいらねえー」って。
でもレジのおばあちゃんが、まるで僕の心を読んだかのように
「これは取り外せるのよ」って、ついていた金具でスパイクを
くるくる回しはじめ・・、解決しました笑。
DIXON'S TWEED。
聞いたことのないツイードに、見たことのないデザイン。
40年代頃の物だと思います。
スコットランドのキルトジャケットにやや似ていますが、
こちらはMADE IN ENGLAND。エポレットはあるものの、
袖口・フラップの装飾はなく、似て非なるものです。
フロントをえぐりすぎのトライアングルカットが目をひきます。
ハンティングなどアウトドアスポーツ用の一着であることは
なんとなく想像がつきます。これはスタイル面白そう。
ミリタリーのアイテムもいくつか手に入れました。
いくつか紹介しますが、こちらはイギリス軍のブーツ。
1946年製。スコッチグレインが特徴です。
イギリス軍のホールドール。カーキとオリーブ。
イギリス軍のホールドールというと、
キャンバス×レザーのデザインがポピュラーですね。
でもこちらはもっとスポーティなルックス。
キャンバス厚めなので、中身があまり入っていなくても
左右に折れ下がることもない、と思います。
HI-TEC製のイギリス軍トレーナー。
シルバーシャドーは僕も履いています。
初めてのグリーンはその一つ前のモデル。
サイズはシルバーシャドーが6、グリーンが7です。
今回はHI-TECのサンダルも何足かあります。
何年ぶりかのリーファージャケット。
ロンドンのLEVISON'Sにずっとかかっているのを
指くわえてみていましたが、ついに手元にきました。
1945年製。
なぜかリーファージャケットはこのA WHYMAN LTDという
ところが作っているものしか見ません。もしそれが確かなら、
かなり生産数、着用者も限定的だったはずです。
イギリス軍でこういったPコートタイプのデザインが面白い。
余談ですが、イギリスではPコートとはいわず、このデザインは
リーファージャケットと呼ぶようです。安定感あるフォルムですが、
ウールではなくコットンなので重たく、厚ぼったい印象はありません。
ラストは1930'SのAUSTIN REED。
ミリタリーのカラーレスシャツです。
オフィサーシャツなのか、ユーティリティシャツなのか
どちらか分かりませんが、シングルカフなので後者かな。
暑い気候向けの、通気性の良いサラッとしたコットン地ですが、
でもトロピカル系の凹凸があるAERTEXとは明らかに違う。
古いカラーレスシャツは確かこの一枚だけ。
イベントでも結構な数のカラーレスシャツがありましたが、
どれも高すぎる。このままではもう買えなくなってしまいます。
パーカ、スモックも少しですが。
こちらはグレンフェル。
サンフェードがとても良い。sz38ですが34-36位。
首裏のポケットにフードを内蔵するタイプですが、
スナップで着脱する独立式なのが面白い。
これはdiscolour & beat upというテーマで展開します。
アメリカのマウンテンパーカそのままのデザインですが、
これはイギリスのテレコムエンジニアのユニフォーム。
日本でいえばNTTの職員に当たるのかもしれませんが、
こちら民間ではなく、おそらく官給品です。
ミリタリーウェアかと思いましたが、そのオーナー曰く
これの下(パンツ)のレーベルにそう書いてあったと。
一見アウトドアに見えて実は公務員の制服という意外性。
電話のエンジニアがこんなに目立つ必要があったのか・・
イギリス、50'sのマウンテンスモック。
ハイヴィズなカラーウェイが目をひきます。
この当時のスモック、アウトドアウェアは地味な色合いなので
それを知る方にとってこの発色は余計にまぶしく感じるはずです。
下がスラントポケットで、違和感なく手がスッと入ることに違和感。
当時最先端の防水コットン、Jemcoprufe。
当時のクライマーらしく、中モッコモコで着てみたい。
ラストはこの一枚。
イギリスのスモックのイメージが180°変わります。
イエロー。
8色展開くらいでようやく入ってくるくらいの立ち位置。
でも、こんなスモック作るところはまず8色もやらない。
逆に言えば、それくらい売れゆきが見込めないカラー。
今よりイエローが受け入れられた当時の流行もあると思います。
少なくとも今のメンズでは難しいからこそ、よくやってくれたなと。
知る人ぞ知るBOBBY SPORTSWEAR。
ベンタイルラバーにとってはオレンジのパーカで有名ですが、
これを着ている人はまずいないと思います。
これでスクーター乗ったらかわいいだろうな・・。
実際手にとってみる前に、できるだけそれぞれがどんなものか
知っておいてもらおうという意図で、しっかりコメント入れました。
何だか分からんけど高いな、とか思われないように。
長くなったのでいったんここで終わりにします。
次回もイギリス編続きます。それではまた。