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ウスバカゲロウのような透かし編みのニット。
デニムのようなタフで、引っ張っても破れない服とは対極にある、
手荒に扱うと壊れてしまいかねないデリケートな服。
着古して壊れてしまいそうな脆さとは違いますよ、念のため。
古着のイメージとは縁遠いこの繊細さは、化繊や複雑な配分など、
進化した素材を使っていてこそ成せる部分が大きいと思います。
たとえば30年代とか50年代とかの服に、この繊細さはあり得ない。
素材のクオリティの高い低いじゃないんです。
専門的なことはわかりませんが、これこそ現代服の美しさだなあと
ずっと見とれてしまっていて、本当は夏前にアップする予定が、
今になってしまいました。しかもイタリア発。断腸の思いです。
8,90年代頃のウールデザインセーター。
ローゲージの、太いボーダーが入る、いたって単純なデザイン。
なんだか繊細さのない、茫洋とした、大味なルックスですが、
よく見ると、実は編み模様に変化がつけてあり、また赤・青・黄色の
ネップも万遍なく散りばめられているという、濃密なデザインなんです。
ホリゾンタルなネックや、このセーターでたった一カ所だけ
タイトな部分である袖のリブも、はっきり遊びの意図がみえます。
ただの、オーバーサイズのざっくりセーター、では終わらない、
緻密なデザインを内包する一着。
ワックス&キルティングのウェアを専門に扱うイギリスのブランド、
John Partridgeのワックスジャケットです。
野良作業も楽しく、というコンセプトかどうかは分かりませんが
既成のワックスジャケットにはなかったデザイン。
ワックスは着ていくうちに黒ずんでいくので、明るい色合いだと
やや汚れが目につくのが玉に瑕ですが、そこは野良着ということで。
ただ、現地でもこの名前はしばしば見かけるものの、バブアーと同じく
地味なデザインがほとんどなので、こういう提案は、ファッションとは無縁の
イギリス人ファーマーたちにはウケなかったのかもしれないですね・・。
撮っていませんが、すっごく良いトレンチコートもあります。
先週はお休みをいただきましたが、今週はオープンします。
では本日もよろしくお願いいたします。
今季初めてのBarbourです。
サイズ感とか、年代とかは、もう今更書くようなことでは
ないと思うので省略します。
他にもバブアーについては今まで色々と書いてきましたが、
これを着てもらえたら、何も言う必要がなくなります。
バブアーについての記事を、遡って読んでもらう必要もありません。
言いたいことは全部これが伝えてくれるからです。
ヴィンテージバブアーを選ぶ醍醐味。凝縮された一着です。
本日は撮影でこちらを空けるため、発送は来週になります。
ご理解いただけたら幸いです。それではまた。
イギリスのワークウェアブランドとしてはちょっと名の通った、
Harpoon社製のコットンドリルワークジャケット。
実直なモノ作りをする作業着メーカーらしからぬ、珍しい色遣い。
グレーもグリーンも、当時の一般的なイギリスの作業着には
まず使われなかった色です。バイカラーなんてもっての外。
ローカル交通のユニフォームくらいにしか見られないこのような
バイカラーの切替を、市販の作業着で見かけることは稀です。
共産圏的な無機質さがありながら、ちゃんとした個性もある。
例えるなら、トラバントみたいなかわいらしさのある一着。
ヴィエッラとか、ヴィエージャとか曖昧に呼んでいたので
ここではっきりさせようと"Viyella pronunciation"で調べて、
ヴァイエラで確定しました。というか、させました。
アメリカンカジュアルなデザインが全世界共通のものになってしまって、
こちらもその例に漏れず、イギリスらしさは正直ほぼ失われています。
その中に唯一残った”誇り”でもあり、
他の似たようなシャツとの”違い”でもある、「made in England」。
着てしまったら分かりません。でもこれがなかったら絶対買ってない。
服という括りに限らず、肉だって野菜だって、どこからきたのか
みんな気にするはず。味はもちろん、安心感とかステータスとかに
みんなお金を払っているはずです。腹に入ったら同じ、とは思わない。
食えたらいい、着れたらいい、なんて貧しいですよね、財布でなく心が。
タグや年代にこだわらない、なんて謳い文句ももはや陳腐になりましたが、
生まれにこだわることは、同列で語られるようなことではないと、
国産牛で迷うことくらい服を選ぶ上で当たり前のこだわりだと思います。
チベット難民が作った、フード付きのボディウォーマー。
とはいっても、
そんな名前が似合うようなハイテクなものではなく、
もっと素朴な名前で呼びたくなるような防寒着です。
下の爺さんが着てるような、チベットの伝統衣装らしい
フロント合わせが、たった一つにして最大の特徴です。
目・・。
あくまで推測ですが、
中国の侵攻や、デモの鎮圧による大量虐殺、人権侵害、
更には核廃棄物の不法投棄なんていう度重なる蹂躙から
チベットの地を追われた難民たちが隣のインドに逃れ、
そこで生計を立てていく過程で作られた一着だと思います。
MADE IN INDIA BY TIBETAN REFUGEE
わざわざ難民が作ったなんて書く必要ないですよね・・？
インドを訪れたイギリス人が、この表記に同情を引かれて
購入し、イギリスに持ち帰った。あくまで予想ですが。
ハンドクラフトなので大量生産はできないでしょうし、
通販で手に入るようなものでもないと思います。
古いものほど手に入らなくなるので勘違いしがちですが、
求めているのは”古さ”の方じゃなくて、”手に入らない”の方、
言うならこんな特別感なのです。
St Michaelのアイリッシュリネントラウザーズ。
St Michaelは幾度となくここで紹介してきましたが、簡単にいうと
イギリス最大手の小売店、M&S（マークス&スペンサー）のストアブランド。
St Michaelは、年代を遡れば遡るほどクオリティがどんどん上がります笑。
それだけに現M&Sの庶民的なイメージとのギャップが疑問だったんですが、
現地のディーラーさん曰く（60年代に彼の母親が好きだったらしく）、やはり
当時のSt Michael（、とC&A）は容易に買えるブランドではなかったそうです。
ファストファッションブランドとは異なり、安さを追求せず、流行を追わない。
今の高級ブランドのようにハイプロファイルではなく、クラスも限定しない。
例えるなら、よりコストよりクオリティに重きを置いた無印良品、という感じ。
シンプルに良いモノを。
St Michaelの姿勢って、イギリスの物作りそのものだと思います。
お知らせです。
古くからの友人の結婚式に参列するため、明日の土曜、
10/4は誠に勝手ながら実店舗はお休みいたします。
来週末の10/11からは、また通常通り渋谷にいる予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
LIBERTY × ALAN PAINEのケーブルカーディガン。
リバティは幾度となくレザーアンドレースで紹介、掲載しているので
ご周知の通りかと思いますが、アラン・ペインも、新品・ヴィンテージを
問わず、日本でも目にする機会のある名前だと思います。
見たことがなかったんですが、業界をリードする２つのブランドが
今の今までコラボしていないわけがないんですよね。
デザイン×クオリティ。イノベーション×トラディション。
極めてクラシックな一枚ですが、そんな組み合わせです。
何を言われようと、アナウンスを続けたいと思います。
大学時代の友人の結婚式に招待されたため、今週の土曜、
10/4は誠に勝手ながら実店舗はお休みいたします。
来週末の10/11からはまた通常通り開ける予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
また本日は撮影のため、ご注文いただいた件の発送は
最短で明日の木曜日になります。ご理解いただけたら幸いです。
GRENSONの知る人ぞ知るモデル、BUCKS。
サンドベージュカラーのバックスキンシューズのことを
ダーティバックスと呼ぶのはご存知の方も多いはずですが、
それはあくまで「汚れた」と”想定した”だけのもの。
でもこちらはその”想定した”汚れに、”自然の”汚れがついた、
文字通りのダーティバックスです。
ミッドランドの美しい街を訪れる唯一の目的といってもよかった
お店が潰れてしまい、落胆していた矢先に出会った一足。
見た時からこれは絶対にクリーニングしないと決めてました笑。
汚れを落とした瞬間、この靴の美しさは失われます。
おかしな話ですが。