今日はシェットランドセーターです。
まあ季節感がちょっとズレてるのは否めませんし、
主役になるようなアイテムでもありませんが、
ぬくもり、温かさだけでなく、着る人の表情や
雰囲気をほんの少しだけ優しくしてくれます。
ブレザー+シャツにこれを間に挟んだ絵を想像して
もらえたら、着なくても分かってもらえるはず。
粗めの糸を使ったセーターをシェットランドと呼ぶ
ざっくりとした風潮がありますが、こちらは本場生まれの
シェットランドウールを使い、本場で織られた本物です。
以前、ビスポーク物のチェスターフィールドコートを紹介した際、
一人のモダニストが所有していたものであることを書きましたが、
こちらはそのコートと3枚のブレザーのうちの最後の1枚です。
今まで文面でしか知らなかった、モダニスト達がイタリアン・
コンチネンタル・スタイルを愛好していたこと。
この1枚を手にした、それだけでその理由が分かった気がします。
ナローラペル、3ボタン、短めの着丈、ナチュラルショルダー。
ちょっとしつこくなるくらい、ディティールを挙げたらキリないです。
内側の袖付けから、オーダー物であることがみてとれる1枚。
服装だけでなく、音楽やライフスタイル全般においてクールで
エレガントな生き方がコンセプトだったモダニスト。
既成スーツやフレペリを着て、M-51を羽織り、足元はデザートブーツ。
仕事はテキトー。スクーターに乗って、ドラッグ吸って、クラブで踊って、
挙句はケンカして警察のお世話になって。
あの映画をまんま書いただけですが、そんな”モッズ”とは違います。
こんな適当な格好でも様になっちゃいます。
僕もドレス系は正直あまり得意ではないのですが、
熟知した方よりも、あえて苦手な方に着てほしい。
知れば知るほどこうでなくてはいけない、という
暗黙のルールに縛られがち。
僕は勉強しなきゃいけない立場ですが、
ヘタな知識なしで、自由に楽しんでほしいです。
最後にもう一枚。
こちらもイタリア物。
タキシードライクなデザインの一枚。
もちろん手縫いで仕立てられたオーダー品。
それでもドレスウェアの堅さはありません。
ナローでナチュラルな肩のラインがもうたまりません。
大人のための、最上のカジュアルウェアです。
高まるサルト熱。今一番掘り下げていきたい分野の一つです。
それでは今日のラインナップを少し。
春向けのジャケット、Tシャツ、あとはアラカルトのラックを一つ。
ビルの前の通りは桜が満開です。
花見ついでに寄ってみてください。どうぞよろしくお願いします。