今回選んできたイタリアのスポーツ/ストリートウェア。
セーフな服、スタイルばかりの今だからこそ
一歩踏み外したら笑われる位の危うさ、スリルが
欲しかったのは前のブログに書きました。
でもそれだけじゃなくて
例えばテーラリングやレザーシューズ一辺倒の
ジャパニーズイタリアンファッションへの疑問とか。
雑誌LEONで見るようなスタイルはカッコいいけど
イタリアのリアリティは正直ない。だって街にいないし。
あんなシャレた人たちは年2のピッティでしか
見られないんじゃないだろうか・・。
日本人が好きな、そんな雲の上のイタリアよりも
感覚的に埋められない大きなギャップがある
リアルなイタリアを提案したかった。
あと、新しい変化に乏しくなったヨーロッパの
ヴィンテージクローズ市場に漂う停滞感。
ヨーロッパってだけでフレッシュだった時代は終わり
市場が成熟してくると、当然新しいものは出づらくなり
店は増えるほど似通い、展開に変化がなくなってくる。
そうなると年代が古いとか、パーツが違うとか
服を着る上で関係ないことにフォーカスする動きが現れる。
当然その方向にファッションとしての発展はないし、
何よりそんなことに感動できない。
落ち着きがあって、クオリティが高くて、大人が着られて・・
なんてヨーロッパのステレオタイプなイメージも
いいかげんブレイクスルーしたかった。
自分が飽きっぽいってのも大きな理由ですが、
同じように飽きてる人、新しいものを探す人は
少しずつ増えている気がします。
その選択肢の一つになれたらいいなと。
アメリカのともイギリスのとも違う、
イタリアのスポーツ/ストリートウェア。
まとまった数に目を通して見つけた、
それらに共通する特徴的なデザイン。
ただダサいで一括りにできない様々なキャラクター。
いくつかあげていきます。
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1. colours
尖ってるとばかり思ってたブラックも
今や最もセーフなカラーの一つ。
造形に変化を求める動きは活発でも
黒という色自体にかつての強さはありません。
だからこそセーフカラーにない新しい色、
一歩外に周りの苦笑いが待ち構えてるような
デンジャラスなカラーが欲しかった。
イタリアでは有彩色が当たり前。
こっちのセーフと向こうのセーフは
逆とは言わないまでもだいぶ違います。
そのギャップがダサいという感覚を生むのかも。
日本人の感覚でダサい服を求めた結果、
セーフカラーがイタリア側に寄りました。
2. Marine Sports
sailing, yachting, windsurfing, cruising,
marine, boat, ship, nautical...
リアルなマリンスポーツギアでなくても
結構な確率で目にする海を想起させるワード。
デザイン自体にも海の匂いはするけど
ストレートに文字で伝えるのがイタリア。
曖昧で分かりにくいことをイタリア人は
積極的に理解しようとしません。
コンパスがモチーフのSTONE ISLANDや
セーラーがキャラクターのC.P.COMPANYもそう。
イタリアは海への親しみや憧れが強い国。
イタリア人にも通じるすっきり突き抜けた明るさ。
マウンテンギアのイメージにはあまりない要素。
3. Spellout
どこかレミニッセンスでlike yesterdayな
イタリアのスペルアウト。
意味があるようで大した意味もなかったりする
イタリア人同様おしゃべりな装飾的デザイン。
例えばイギリスの服に時折見られる
何のためのディティールか分からなかったり
意図的なのか偶然なのかはっきりしないような
コンプレックスでファジーなデザインは、
イタリア服に限ってはほとんどないです。
(オスティのデザインは例外だけど・・)
突き抜けたカラー、ストレートなメッセージ。
シンプルで分かりやすいイタリア独自のキャラクター。
4. Exaggerated phrases
僕の知る限り、イタリア人は全体的に
英語があまり得意ではないです。
得意じゃないのに単純で大げさな英語を
駆使して何とかモノを売ろうとします。
付き合いのあるトレーダーも、
オリジナール、スペシャール、が口ぐせ。
おしゃべりなタグにもそれが表れてる。
こんな謳い文句に引っかかるわけないけど、
大げさな単語の羅列がイタリア人らしくてかわいい。
ALL TIME CLASSIC
DRESSING UP THE WORLD
世界をドレスアップする、国内展開のみの服。
AMERICAN FINEST
FAMOUS AROUND THE WORLD
リーバイスやナイキを差し置いてよく言えたな。
THE PROFESSIONAL'S CHOICE
ORIGINAL AMERICAN CLOTHING
CLOTHINGだけしか正しい情報がない。
FOR INTELLIGENT PEOPLE OF GOOD TASTE
ADVANCED DESIGN
趣味の良いインテリジェントな人がこれを選ぶのか・・
5. Clubgearesque
raggedなスペルアウト、過多なテクニカルパーツ、
アシッドカラーやHi-Visカラー、リフレクター、
用途不明のファンクショナルなルックスなど
technoでraveyなテイストが強いデザイン。
これも一定の割合に共通する要素。
ガチなスポーツブランドにはない+α。
一言でクラブギアといってもはっきりと線引きが
あるわけではないですが、その+αに"エスク"な匂い。
感情豊かなイタリアらしさ。
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ようやっと荷物がイギリスから届いたので
来週こそはUKスケート紹介します。
今度は絶対。
dramatic clothes
Leather and Lace