イングリッシュ・ペイシェント。
ハナとキップのシーンは何十回も観ました。
あの舞台になったのがイタリアでした。
こちらは同じペイシェントでもイングリッシュではなく
イタリアンですが、時代はいずれも1940年代。
ボタンはトップのみで、ウエストにはベルトが付きます。
なので、ジャケットというよりはガウンに近いです。
オープンで着る、ボタンを留める、ベルトを締める。
3つの着方でそれぞれ大きく表情が変わります。
意図しているならまだしも、これは狙ってない。
偶発的な違いなので、ヘンないやらしさはありません。
少し袖が短いので、それが風の通り道を作り、
春夏の羽織りとしてちょうど良いです。
また秋冬は上着の袖口を邪魔しないので、
インナーとして着る際もその袖丈が活きます。
重ねたオフセンターの前立てをジャケットの内側から
覗かせれば、もうそこにミリタリーくささはありません。
店舗の方では、これはイタリア軍のパジャマです、と
主張してきましたが、ここで訂正します。
ホスピタルジャケットではないか?という意見をくれた方、
おそらくそれが正解です笑。
hospitalはイタリア語でospedale(オスペダーレ)。
スタンプにOSPED...とあるので間違いないと思います。
というか僕が間違いでした。ごめんなさい汗。
少なくとも4つの着方があり、シーズンも問わない。
一見難しそうに見えてこんなにバリエーションに富んだ
ミリタリーウェアもそうはない気がします。
では明日の予告です。
ブラックのジャケット2着。
一つは地方のサルトリアから。
イギリス物を思わせる重みのある生地。
いたってフォーマルな仕立てですが、
生真面目な礼服には見られない遊びが
ボタンのレイアウトに表れています。
もう一つはLUBIAMから。
LUigi BIAnchi Mantova。
1911年から続くイタリアのメンズブランド。
上のジャケットとは対照的な、1960'sらしい
ソフトなシルエットはブラックでも柔らかい。
ではまた。