先日はある程度履き込まれた、雰囲気のあるトリッカーズを紹介しましたが、
今日はもっとヘビーなものを2足。
こちらはエドワードグリーン。
説明は不要かと思いますが、少し古い時代のセミブローグ。
現行ラインナップのCADOGANというモデルとほぼ同型。
同じものとは思えませんが、ブローグの入り方を見ても、
このモデルが一番近いと思います。
そしてこちらはフォスター&サン。
エドワードグリーンのものと同様に、古いチャッカタイプ。
まだ刻印にW.S.が入っている時代のものです。
いずれもかなり履き込まれているのは見ての通りですが、
同時に革のツヤや、着用できる靴として未だ健在である
ことも分かっていただけるかと思います。
この辺のメーカーが好きな方々にとってはもう役目を終えたと
思われても仕方がないかもしれません。
もちろんコンディションの良いモノの方が需要も価値も高いとは
思いますが、だからといってこんなにいい表情の靴と出会って、
果たして素通りできますか?
僕はできなかったからこそ、ここで紹介しているわけですが、
大量生産された靴がここまで履き込まれたら、完全に型崩れして
革もハゲハゲ、穴まで空くような無残な姿になってしまうはず。
そんな靴たちもイギリスに行けば何十足、何百足と目にしますが、
買うまでに至ることはまずありません。
厳選された革を使用し、世界有数の技術をもつ職人さん達が、
一足に何週間という時間をかけて作られたものであるからこそ、
こんなに履き込まれても、まだ現役であり続けられるわけです。
目には見えなくても、込められている思い、苦労、誇りなんかも
必ずその靴のどこかに反映していると思う。
もちろんスーツや、ビシッとプレスをかけたスラックス、まったく
色落ちのないデニムなんかに合わせてくださいとは言いません。
今言ったような格好、パンツにはピッカピカの靴が合うように、
シミがあってシワシワでも、すごく良い表情をした洋服たちと
この2足はとても良い関係を築いてくれるはずです。
高級な靴の良さは、その整った美しいルックスやステータス
だけにあるわけではなく、履き方は変わっても、何十年もずっと
履き続けることができるその丈夫さや表情の豊かさにもあるん
じゃないかと、この2足をみて改めて思いました。
このあと、もう一回更新します。
雷がすごい。それでは。