とてもリラックスしている時、洋服に最も快適性を求める時に着る2枚です。
こちらはパジャマトップ。
ユーティリティマーク(CC41)の付くおおよそ40年代頃の物。
前回紹介した時に説明、および訂正をしたように、第二次大戦を
はじめ、戦争で男手が不足し、需要に対する生産と供給の割合が
著しく低下した時代に、物資を節約するため施行された政策です。
CCはControlled Commodity、直訳で”管理された日用品”、
41はその政策が始まった年で、それは51年まで続きました。
物資が不足していたのになぜ?ってくらい、とても質の良い
綿を使用しています。高温多湿、地獄のような日本の夏でも
着られるくらい、驚きの肌触りと快適性。
白いコットンは汗ジミが目立つのでパジャマには向かない気が
しますが、こちらに関しては汗ジミ・黄ばみは皆無です。
ユルめのカットソーの上に袖を捲って羽織れば、着心地は
もちろん見た目にもすごく清潔感のある印象を与えてくれます。
シルクやペイズリーのものほど古着感、パジャマ感は強くなく、
白×ブルーストライプと、デザインもオーソドックスなものなので
手持ちのパンツでもまったく問題なし。
パジャマ~?っていう抵抗がある方は仕方ないですが、
パジャマの開放感や快適性はなかなか普通のジャケットや
シャツにはないものだと思います。元々ゆるく着る服として
作られているので、細かいサイズ感も特に気にしなくていい。
個人的にはパジャマでしょ?って突っ込まれたらそれはそれで
話が広がっておいしい気もします笑。
続いてこちらは、レジャージャケット。
レザーじゃありません、レジャーです。
経済的に余裕があって、身だしなみにもちゃんと気を遣う方が
バカンス用として着用されたものだと思います。
旅行に行く時ってどんな格好をしたいですか?
いい服を着てオシャレをしたい、だからといってパーティの
ようなピシッとカチッとみたいな格好ではなく、カジュアルな
動きやすくて快適なものがいい。
思いつきですが、大体こんな感じじゃないでしょうか。
適度な通気性と高級感のあるヴィスコースを使用し、
形はテーラードカラーのブレザータイプ。
サイズ感はゆったりめに、身頃や袖口にも開放感を
持たせた作り。
ちゃんとバカンス用として、上の条件を満たしてくれる
ようにデザインされているんですね。
タグにはBRANCHES AT BRISTOL & BATHとあります。
ブリストルはイギリス西部最大の港町、バースはそのやや
南東に位置する、歴史情緒もあり、温泉などの保養施設も
ある、なんとロンドンに次いで訪問者の多い観光地です。
ざっと検索して出てきたバースの画像。
観光客が多いのも当たり前ですね、これは。
僕も電車からチラッとだけ見ましたが、画像3枚目のような
風景が広がっていて、思わず身をのり出すほどでした。
ジャケットの話に戻りますが、どこにでもある服ではなく、
ちゃんと観光客をターゲティングし、その人達のステータスや
ニーズをよく考えて作られたんだと思います。
グレーの色合いも画像よりもずっと繊細で美しいです。
これは前回初めて会ったディーラーさんから買ったものですが、
こういうのがもっと欲しい、って言ったら、こんなの集められるわけ
ないだろって、かるく笑って返されました。
ターゲットがかなり狭いだけに、とても貴重な一枚ですが、
肩の力を抜いて、リラックスなスタイリングを楽しめたら。
どちらも楽しいことをする機会に着る服であり、
(少なくとも僕は寝るときがすごく幸せです・・)
その楽しみを微力ながらお手伝いしてくれる服です。
服を着るってそういうことじゃないでしょうか。
なんて偉そうですが。
だいぶ天気が乱れてます。
季節の変わり目を感じます。
それではまた。