今日もデザインにひねりのある2枚を。
漆黒のベルベット地にジュエルビーズが行儀よく並んだ、
グラム&ニューウェーヴな香り漂うジャケット。
パッドがなく、緩やかに下るショルダーラインや、
細長いショールカラーなど、今の流れも汲みとってくれてます。
2ボタンのダブルも今期は本当に良く見ますね。
例えばジュエルビーズを小ぶりのスタッズに替えたり、
ピークドラペルにしたりと、ほんのちょこっと手を加えるだけで
新品としてリリースできそうなくらい”旬”と”ハズし”を抑えてる。
何気ないスタイリングでもベルベットやビーズが勝手に
アクセントとして効いてくれる。
個人的には黒のスウェットパンツにレザースリッポンとか。
振り幅は広いので、いろいろ遊べると思います。
タペストリーのスモーキングジャケット。
このタペストリー、NHKの「世界遺産」でこないだ取り扱われてました。
中世のベルギーで作られたものが当時日本にも渡っていたとか何とか。
王様や貴族が丸めて移動先に持っていったというほど重宝されたそうで、
絵画以上に高価なものとして取引されていた歴史的な工芸品。
ゴブラン織りともよく言われますが、それはフランスのゴブランさんという
職人が作ったことに由来しているそうで、王様の支援をうけて王宮用に
生産したことで有名になったようです。
日本ではあんまり馴染みがないですが、イギリス現地ではアンティーク
フェアなんかにいくと壁掛けやクロス、バッグなど、このタペストリーは
ちらほら見かけます。
それこそバッグなんかはいいものがあれば買ってこようとは思うんですが、
よくある近年のものはただペラいクロスにプリントされた安っぽいのが多くて
いまいちピンとこない。
そんな中出会ったのがこのジャケット。
アンティークマーケットの1ブースのラックに窮屈そうに並んでました。
実は最初見逃していて、もう帰ろって時に電車の時間調べたら
まだだいぶ待つ感じ。仕方ないからそれまで適当にブラブラ流すか、
って時に、「なんだこれは!?」と。
電車の時間がぴったりだったら出会うことのなかった一枚。
持っていたのはアンティークディーラーのおばちゃん。
なぜかおばちゃんディーラーには何かとご縁があります。
女性目線で選ぶヴィンテージの方が性に合ってるのかも。
着る物をアートなんて簡単に呼びたくないですが、この生地を
服に使った当時ではかなりキテレツな発想と、当たり前ですが
ハンドメイドの一点物であり、タペストリーにもアートな要素が
あるだけに、これはアートピースと呼んでもいいような気がします。
今日も長々と失礼しました。
それではまた明日。