現地から最後の更新をします。
長くなりますが、お付き合いください。
ようやく雨がやみました。
この仕入れ期間中初めての雨が帰国日前日に降るなんて、
これはもう遣らずの雨ですね。そう思うととても感慨深いです。
大小あわせて12の都市や町を、電車、タクシー、そして自分の足でひたすら回りました。
万歩計は持ってきませんでしたが、100kmは余裕でいったんじゃないかな、ってくらい歩きました。
トラブルも日常茶飯事、おかげでもう慣れっこです。だいぶ足腰と精神は鍛えられました笑。
毎日5,6時に起きてひたすら歩いてひたすらハンガーを繰る。自分で言うのは恥ずかしいですが、
この怠け者が何でこんなに頑張れるんだってくらい頑張りました笑。
その甲斐あって鞄が計3つパンパンになる日もあれば、それでもスカスカのまま帰る日もあり・・
どう転ぶかわからないのがこの仕事の面白いところです。
ただ悲しかったこともありました。それは、ヴィンテージビジネスがどの街も衰退傾向に
あることでした。多くの店が、安くなければ買えないような年齢層をターゲットにした、
衣類回収業者の工場をそのままひっくり返したような商品構成になりつつあり、
目の肥えたお客様方であれば目を覆うような惨状がそこかしこに見られました。
勿論ヴィンテージだけが古着ではないですが、物の良し悪しは見れば分かります。
内容は総合的にみると非常に、非常に充実しています。
ただ一番嬉しかったのは、これが買えた!ってことより何より、人との出会いでした。
トラブルが起きるたびに、そこには救世主がいました。
何度道を聞いたか分かりませんが、ほとんどの人がすごく丁寧に教えてくれました。
初めてのアンティークフェアの前日、ホテルでその内容や回り方など実に1時間くらい笑
レクチャーしてくれたおじさんもいました。駅でトイレがなくて死にそうだった時、俺に
ついてこい!、といってかなり遠くのデパートまで笑つれてってくれた若者、間違った
電車に乗ってしまった時、経路の修正をPCで調べてくれた隣の席のビジネスマン、
揃いも揃って何でそんなに優しいの?ってくらい、見ず知らずの僕を助けてくれました。
早く買ったもの見せろっ!、って感じだと思います。
既にある程度パッキングを済ませてからあわてて気づいて何枚か撮りました。
相変わらず写真はひどいですが笑、いくつか紹介します。
トライアルマスターとインターナショナル。
ワックスジャケットの2大モデル。ワックスジャケットは10枚位?拾いましたが
クオリティはずば抜けてると思います。ワックスジャケットが好きな方は必見の内容です。
僕自身初めてのポールセン・スコーンと、推定5,60年代頃のトリッカーズ。
なんと2足隣りあわせで並んでいました・・。
4,50年代頃のロイヤルアーミー物と思われるガーメントバッグ。
経年変化、長年の使用、それだけが作り出せる雰囲気に尽きます。
カードホルダーの位置が笑・・。
イギリスのハンドニットモヘア。
これぞイギリス。この辺はストックがあるので、まとめて特集したいと思います。
80年代頃のハリントンジャケット。
古着屋やマーケットに溢れかえっている80年代"風"のものじゃありません。
正真正銘の当時物。ブラック。デッドストック。 数枚確保しました。
TOPMANとPRIMARK。
イギリスを代表する2大カジュアルブランドですね。
流れが流れだけに現行は価格訴求まっしぐらですが、これはいずれも古き良き時代のもの。
ちなみにトップマンはイギリス製、プライマークはイタリア製。この辺大好きです・・。
ブランド、年代、生産国などにとらわれない、”枠組みのない”アイテムも少しですが集めました。
ステータスフリー。デザインそのものを純粋に見ることはやっぱり大事だと思います。
以上は全て一昨日だけで集まったものです。びっくりです。
マイペースが売りの一つでもある?当ウェブストア、果たしてアップできるんでしょうか笑。
そして、この旅では人生を変えてくれるかもしれない出会いもありました。
ある街にて。既に2都市を回り収穫はほとんどなし。
いずれも期待していただけにショックが大きく、疲労もピークでした。
時間は5:50。古着屋さんの閉店まであと10分。回れてあと一軒。どの店も期待薄。
それでもダメもとで攻めるか、いさぎよく切り上げて明日に備えるか。
あきらめないでよかった。本当によかった。
素晴らしい出会いが待っていました。
いずれも4,50年代頃のイギリス軍の戦闘服。
デッドストック多数。2枚目のように、見たこともないタグがついているものもあります。
古着屋さんの値札じゃありません、当時の工場サンプルとしての詳細が記載されたものです。
これらのアイテムはユーズドでも見ることは稀です。
僕も初めてデッドストックの状態を見たのですが、写真のように裸のままではなく、
小さくたたまれて厚めの油紙に包まれ、それが細い縄でくくってあり、上述の紙タグがついていました。
写真を撮っておくべきでした。
アイテムはまだ他にもあります。大発見の詳細は帰国後お伝えします。
これから荷物をまとめ、イギリスを後にします。
数々の大切な出会いと、関わってくれた全ての方に感謝です。
読んでいただきありがとうございました。
それではまた日本で。失礼します。