イタリアに行って以来、イタリアを代表する服の一つとして
紹介してきたレザージャケット。
主にブラウンカラーのバックスキンやシープスキンが使われ、
フロントはボタン留めで、衿・裾・袖口にはリブが配された、
アメリカやイギリスのレザーウェアとは全く異なるデザイン。
ほんの一部の人だけが着るバイカージャケットと違い、
これはバイクに乗らない人も、ファッションに興味がない人も
普段着として着用する、一般大衆に馴染みの深い服です。
今回はスタンダード&イレギュラーの2枚をアップしました。
こちらはスタンダード。
ヒツジはヒツジでも、シープスキンよりも更に上質とされる
生後一年未満のラムスキンを使用。
とにかく柔らかい。表面はベルベットのように滑らか。
毛穴が小さいので、よりキメが細かくしっとりしています。
ポケットの両サイドにはハンドウォーマーが付き、
脇下に入っているベンチレーションのための切込みも
並のレベルのジャケットにはない丁寧な配慮。
同じスタンダードとはいえ、あのVALSTARにも遜色ない
最高水準の「ハイスタンダード」なジャケットです。
こちらはイレギュラー。
おそらく素材はバックスキンで、シープスキンと比べると
水に強く、耐久性に優れているので、天候に気を遣わずに
着られるユーティリティの高さが特徴です。
もちろん表面はビロード状の滑らかな、気持ち良い質感。
ここまでは至ってスタンダードですが、
何がイレギュラーかというと、そのライニング。
この類のジャケットは裏地のバリエーションが少なく、
100枚あったらほぼ100枚が無地のライニングです。
その中でこちらは、リバティプリントのような小花柄。
春のような景色が広がった、見えないところにもちゃんと
気を配ってある、心に温かいデザイン。
一見ミスマッチなレザーと花柄を、鮮やかな色を避け、
トーンを合わせ、上手くバランスをとった良質なイレギュラー。
今週の一枚。
アクの強いクロコダイルレザーを使ったイタリアの靴。
ブラックだとかなりしつこい感じですが、これはネイビー。
エレガントな印象はキープしつつ、キャップトゥにするなど
モダンイタリアンなアレンジが加えられています。
サイズは小さめかつスリムで履ける人は限定されますが、
薄味になりがちな夏の装いに辛口のエッセンスとして。
それではまた。