IANTHE。
パターン物が続きますが、イタリアがMISSONIならイギリスはやっぱりLIBERTY。
IANTHEはアールヌーボーの時代に起源をもつLIBERTYを代表するパターンの一つ。
これとHERA(孔雀の羽根がモチーフになったパターン)は鉄板ですね。
数限りないカラーバリエーションがリリースされていますが、こちらはパステルトーン。
ボディ(ジャケット)はLAVENHAM。
LAVENHAMとLIBERTYの蜜月もお馴染み。
現行ではリリースされていないようですが、
流行から外れているからこそより新鮮に映ります。
にしてもLAVENHAM × LIBERTYにしちゃ、あまりにパンクすぎると
思いませんか・・?LAVENHAMとLIBERTYの性格、特性を考えたら
これはちょっと攻めすぎている感が否めません。
それもそのはず、これは第三者、INDIVISUAL(個人)が介入しています。
推測ですが、着ていた人が、あまりにこのジャケットを気に入りすぎて、
すり切れたり、破れたりした箇所をパッチワークで直してまで着続けた
その過程?が、結果としてこの”デザイン”になったんだと思います。
素材の質感と色のトーンをあわせた生地を使う。
まあそこまでは考えつく人もいるでしょう。
でもこの人は、1色じゃなく2色の生地を使っている。
しかも、それを元々のマス目にキッチリ合わせず
かなりラフにカットして、迷いなく縫い付けている。
この素人離れしたセンス。
ちゃんと頭の中で出来上がっているか、
どうなってもいいやという怖いもの知らずか、
いずれかでないとこんな大胆なことはできない。
大事にしていたことを考えたら前者だと思いますが、
それにしてもどうやってボタン裏に噛ませたんだろう・・。
まあボロっちゃボロです、正直。
でもそうじゃなかったら、もしこれがきれいだったら、
おそらくLAVENHAM × LIBERTYのまま、
Wネームのままで出てきたはずです。
ボロくなるまで着たからそこに"INDIVISUAL"が加わって
世界に一枚だけのトリプルネームになった。
「なんでこんなボロになるまで着たんだよ。」
じゃなくて、
「こんなボロになるまで着てくれてありがとう。」
と思える方に。