ピカデリーにあったシャツメーカー、DARE & DOLPHIN。
シャツの専門店が丁寧に仕立てた一枚のシャツ。
非の打ちどころがない作り、着る人を選ばないパターン。
ただ、たった一つの違いが大きすぎた。
こだわりが裏目に出た。ターゲットを見誤ってしまった。
タッターソールチェックのウールシャツ。
このチェック使うなら、生地は普通コットンでしょ笑。
しかもただ生地をウールにしただけじゃない。
細い線が潰れないくらい繊細で、真っ白なウール。
生成りじゃないです、白なんです。この時代に。
この柄を着るような人たちは大抵は服に対してコンサバ。
「なぜ綿でやらんのだ」と思われるだけがオチです。
いくら先進性のある人でも、この柄のシャツの素材に
コットンが使われることに疑問はもたないはず。
違う素材でやれよ、つまんねえな、なんて思うわけない。
それくらい当たり前のことに、こだわりを持って変化を求めた。
手間とコストがかかったのは言うまでもないです。
でも残念ながら、そのこだわりにニーズはなかった。
ふーん、でも高いね、そんなお客さんの反応が思い浮かびます。
こういう今ですらビックリするくらいシャレたことを
50年も前にやっちゃうから潰れてしまったのではないか。
そう勘ぐってしまうくらいオシャレが過ぎる一枚。
広告を見る感じでは、シャツや下着以外に
ドレッシングローブを推していたみたいですが、
いったいどんなの作ったんだろ。
ニヤけてしまうくらいのやつ、いつか見つけたい。