なにしろ情報がないもので、
このシャツもどう名づけていいのか分かりません。
ハワイアンシャツやイギリスのバハマシャツのように
何か特別な地名が見つかるまでは、
これをヴァカンスシャツと呼ぶことにします。
おおよそ1960'sあたりのもの。
僕たちがイタリアの服に対して持つイメージにあまり
結びつかない、どちらかというとハワイアンシャツの
イメージに近いパターンです。
このギラギラした感じ笑、プリントや色彩のトーンから見て
南イタリア、それもかなり南の匂いがします。
すごく古そうですが、生産国表記は
MADE IN ITALYと英語で入っています。
個人的な推測ですが、これは国内向けというより
むしろヴァカンスでイタリアを訪れた外国人向けに
作られたものじゃないかなと。
例えばミリタリーとか、地方のサルト物なんかは
完全にイタリア人に向けて作られるものなので
表記は全てイタリア語。英語はまず使われません。
イタリアに来る外国人が今ほど多くなかった時代に
わざわざ英語で表記したあたりに、
バカンスを外国で過ごす余裕がある人たちを
ターゲットにした、その狙いが見てとれます。
8月にナポリで出会ったトレーダーは、
明日からヴァカンツァだ、家族でどこどこに行くんだ、と
繰り返し楽しそうに言ってました。
向こうの人、特にヨーロッパの人たちにとって
ヴァカンスは僕たちの夏休み以上に特別な時間。
そんな特別な時間のための一着。