「着やすい服を着ている時に、
あらためて洋服のことを考えることはない。
買いやすい値段のものを着ていると、
いくら自分がその対価を支払ったのかなんて忘れてしまう。」
ある雑誌に載っていた言葉です。
イタリアに滞在している時に友人から教えてもらいました。
時には真面目に服の話を。
それでは今日のラインナップです。
イタリア海軍。
ロイヤルネイビーでいうとちょうどリーファージャケットに
相当する一着ですが、ベルトや肩に革の補強が付いたり、
ポケットなども含めて、より工程の多いデザインです。
そして何より軽い。
一見ヘビーなアウターなので、ミリタリークローズだと
ほぼ必ず重さや着づらさという不文律が付随しますが、
これはその点に関してすごく現代的です。
年代でいうとおそらく1940's。
デッドストックに近いコンディション。特別な一着です。
こちらもイタリア海軍。
ゴートスキンのような質感のレザーです。
レザーというと海軍よりも空軍のイメージですが、
「なんでこれがイタリア海軍って分かるんだ」と聞くと、
「だってそうなんだから。説明のしようがない」
みたいなことを店のオーナーに言われました。
イタリアのレザーというと滑らかで、軽い着心地を
想像しますがこれは当てはまりません。
イタリアらしからぬ、男くさい実用服。
イタリア海軍。
こちらはデッキジャケット。
アメリカ軍、フランス軍にも同じものがあるので、
比較的馴染みのあるデザインです。
違いは手にして、着てみて感じてください。
この海軍3連発が一堂に会する機会は
今後もそうはないと思います。
イタリアの古いヴァカンスシャツ。
ハワイアンシャツ、レジャーシャツに当たる一着。
シーズンは過ぎていますが、これもイタリアに行かなければ
手にすることのない服なのでこの機会に。
推測ですが、南イタリア、ナポリとかよりもっと南の匂いがします。
イタリアのトニックジャケット。
これぞトニックといった色合いや光沢ですが、
イギリスではなくイタリア服というのが面白い。
素材はモヘア、ウールではなくおそらくリネン。
これもイタリアの気候だからこそ。
イタリアントニック。名前だけでゾクゾクします。
イタリアのサルトリアによる紺ジャケ。
いくらイタリアのヴィンテージクローズに馴染みがなくても、
紺ジャケの着やすさは世界共通。
こちらは1960'sの一着。
丸い肩、少しだけ絞られたウエスト、堅実な3ボタン。
イタリアらしく身頃も袖周りも細身でスマートな印象。
こちらはウイメンズのシルクのコート。
1970-80'sのデザイナーズです。
カラーレスで、丸みのあるシルエットと、
全体的に力の抜けた着用感はもう今モノ。
ウイメンズというだけで避けると損します。
1970'sのYSL。
サファリかと思いましたがおそらくソースはミリタリーです。
胸全体を横切る大きなポケットがコンバットスモックや
アクションワーキングドレスを彷彿とさせます。
個人的に着てみた感想は、共産圏の服に見られる、
無機質で冷たい印象を受けました。
デッドストック。
アクアスキュータムとバーバリーのシングルマック。
イギリスでどれだけ見たか分からないこの2ブランド。
それでもこんなパターンは1枚も見たことがない。
イタリアのショップによる発案で生まれたこの2着。
イギリスのブランドですが、もうほとんどイタリア服です。
イタリアのサイクリングジャージ。
長袖、刺繍、ウールという3つの厳しい条件で探した結果、
今回もたった2つです。前回は1枚だったので進歩しました笑。
フルジップは初めて。Sansonのはすごいオーラです。
着用感が一般的なジャージと被ってしまうのではと
危惧しましたが、着てみると全く違いました。
イタリアンスポーツウェアの真骨頂。
最後はこれ。
今回もっとも衝撃的だった発見の一つ。
ヴィンテージサイクリングショーツ。
もちろんウール。ブラックベースに白で刺繍が入ります。
内側股下の補強。
スポンジじゃありません、ディアスキンです。
たかがショーツ、じゃない。100%本気のスポーツウェア。
この新感覚は是非体験してほしいです。
ここに出ていないレザージャケット、シューズなどは
来週のお目見えとなります。
正直アイテム数は少ないですが、
新しい世界、イタリア服の楽しさをお見せできると思います。
時には真面目に服の話を。
それではよろしくお願いします。