イタリア発、トニッククロスのダブル&ショールカラージャケット。
今までいくつかイタリアのジャケット、スーツを紹介してきましたが、
今回のもまた違った切り口で常識から外れた一着です。
何よりもまずはダブルブレスト☓ショールカラー。
ダブルだと衿は普通ピークドラペルです。
ショールカラーはタキシードのようなビシキメモードか、
ガウンのような室内ゆるゆるモードのどちらか。
ただ、ショールのタキシードは基本シングルなので、
この組み合わせは後者寄り。
でもこのジャケットにそんなユルさはないです。
タイトフィットで、ガウン系に多いラペルの切替えもない。
ボタンなしでベルトで締めるようなデザインではなく、
しっかりジャケットの形をしている。
続いては素材。
シャークスキンとかトニッククロスと言われる、
イギリスのスーツによく使われたりする生地です。
こういう光沢のある生地はだいたいレーヨンとかアセテート、
ポリエステルなんかで光らせてます。
が、こちらはオールシルク。高級生地の代名詞。
光ってる素材ってチャラい印象ですが、化繊ではなく
自然素材を使うこだわり。チャラさもここまでやれば本物。
最後はここ。カフスです。
まず見ての通り本切羽。オーダー物には基本のディティール。
なぜかというと、穴を開けたら袖丈が調整できなくなり、
その人しか着られなくなるからです。ちなみに袖が開くのは、
手を洗う時に捲れるように、という理由だそう。お洒落ですねー。
そしてこのジャケットの最小にして最大のこだわりがカフスボタン。
実は両側とも3つ全部色が違います。ブラウン、ブラック、グリーン。
あとから有り合わせのボタンで直したわけではありません。
遊び方が中途半端じゃない。隅々まで徹底して遊んでる。
お前マジメなの?それともふざけてんの?ってツッコまれて、
無言で(どっちもです)っていう顔してるような人。
遊んでてチャラいんだけどそれを100%真剣にやってる人。
これはそういう人たちのようなジャケットだと思います。
うーん、イタリアってすごいわ。