ちょうど去年撮った写真があったので。
イギリスでたまに見かける、国内最大のアウトドアチェーン、BLACKS。
全国各地に店舗があり、自社製品ではなく他社製品で構成されている点は
パタゴニアとかモンベルよりも、石井スポーツや好日山荘に似ています。
このBLACKS、元々はテントメーカーだったそうですが、第二次大戦中に
GREENOCKにあったテント工場が爆弾で破壊されてしまったらしいです。
戦争も終わるとテントの需要も減るので、テントだけじゃ厳しいのでは・・と、
推測ですが、そんなようなビジネスの転換期があったのかなと。
それからBLACKSはアウトドア用品に着手しはじめます。
グリーンのスモックパーカは見たことある方も多いと思います。
下はweb storeに掲載しているもの。
(これは相当古いです。なぜか売れないですが・・。)
グリーン以外にもカーキ、更にはオレンジなんてカラーもありますが、
このスモックしか見たことがないという方が大半かと思います。
でもBLACKSのオリジナルウェアは、実は他にもあったんですね。
それがこちら。
まさかのダウンジャケット。
街着としてダウンを着る文化のないイギリス本国製の
古いダウンジャケットを目にすること自体が稀ですが、
それがあのBLACKSからリリースされていたなんて、
ブリティッシュアウトドアフリークスにとっちゃもうたまらんです。
詳しくはアイテムページを読んでいただきたいですが、
僕が思う注目するべき点は、ポケットがない、超軽量、この2つ。
ポケットがないと不便そうだし、軽量だと何となく頼りないですよね。
でも、街着ではないのでインナーがセーター&シャツなんてことはなく、
中に着たジャケットにポケットは付いているし、バックパックもある。
また、シェルを頑丈にしたり、パーツを増やしたりすると重くなり、
長時間の登山では身体に負担がかかる。それ故の軽量化ですが、
とはいっても見ての通りパンパンです。温かさは一目瞭然。
とにかく「防寒」。その一点に集中してデザインされているわけです。
ジップが一切なく、片手で留めたり外したりできるポッパーしか
使われていないのも、山での使い勝手を考えた上での作りです。
インナーレイヤーの厚みに合わせて調節できるようフロントがダブルに。
マニアックにウケのよさそうな、こんなかわいらしいディティールも。
現在BLACKSのブランドネームはテントなどのエキップメントに限られ、
オリジナルのウェアはBLACKSの名前ではもう久しく作っていません。
用途がエクストリームなら、この存在もまたエクストリーム。
素敵な一着です。