今回は、音楽関連のTシャツをいくつかピックアップして紹介します。
Late 80'sにThe Haciendaで行われたイベント、"NUDE"の一枚。
The HaciendaはFactory Recordsがディレクションしたクラブのこと。
Factory Recordsに関わるもの全てにカタログナンバーが付けられ、
このThe Haciendaは51。プリントにあるfac 51とはそのことです。
The HaciendaのTシャツには、ただクラブの名前が入ったもの以外にも、
行われるそれぞれのイベント用、クラブのスタッフ用やセキュリティ用、
また、誰かの誕生日のために刷られたものなど色々あったようですが、
どれもロットは極小。出回らないのも分かりますが、その希少性を全く
表に出さない、誇示しないデザイン、見た目が何よりの魅力です。
IGGY AND THE STOOGESが、解散前の1973,74年に行った
ライヴのレコーディングアルバム、"METALLIC K.O."の一枚。
これの面白い点は、アメリカのミュージシャンであるにも関わらず
高品質のUK製のボディが使われているところ。当時のイギリス、
或いはヨーロッパで販売されたものであることがわかります。
70年代の音楽系Tシャツというと、やたらサイズの小さなものや、
身頃が極端に細いもの、または形が変形したパキスタン製などが
顕著で、服なのに収集目的以外に使い道がないものが多い。
でもこれはサイズ、シルエット、形、素材やコンディション全てにおいて
上のどれにも該当しない、ちゃんと”着られる”服として自立しています。
UK製のボディだけあって、着用感はあるものの破れも変形も一切なし。
レアリティだけではない、着られる服としての価値は申し分ありません。
言わずと知れたBOY。まだ後ろにLONDONが付く前のものです。
マドンナ、ウォーホルをはじめ、当時のセレブやミュージシャン、
クラブキッズたちがこぞって着ていた、もはや伝説のブランドです。
late 80's~90'sのプロダクトを復刻したリプロダクションが広く出回り、
誰でも手に入るようになったので、同じデザインのオリジナルを
わざわざ高値で手に入れる理由がなくなりましたが、これは例外。
再発物にないデザインなのは当たり前ですが、こちらは、作られた
当初ですら市販のラインナップにはなかったデザインと思われます。
いずれも過去に取り扱った3点ですが、これをミックスさせたのが
今回アップしたもののデザイン。つまり、イレギュラーなわけです。
裾の小さなイーグルは、総柄にのみ使われている版のサイズ。
当時のクルーが、遊びで内輪向けに作ったものかもしれません。
今のようにネットもなく、品数も取扱い店舗も少なかった頃は、
今よりもずっとBOYのブランドステータスは高かったはずです。
それこそこんなTシャツは、当時でいう”非売品”扱いです。
情報網やコネクションがないと良いモノが手に入らなかった時代。
羨望の眼。煽るメディア。偽物の流通。無愛想な店員。
そんな当時の熱をたたえた、誰も着ていない、”特別な”BOY。
やや滞り気味ですが、6点アップしました。
それではまた。