♪ fade away, fade away, fade away...
ということでフェイダウェイルック。
上下揃えて褪色感を全面に押し出したスタイル。
先に紹介したethniqueなスタイルの裏テーマです。
一般的には、未だにフェード、褪色に関しては、
汚らしい、コンディションが悪い、そんな印象が拭えない。
「何着てんの?」っていう目で見られることもあるはず。
じゃあデニムの色落ちやダメージは?
服のコンディションとしては明らかにマイナスなのに、
古着屋さんではそれによって価格が大きく左右されたり、
あえて新品で再現され(ようとしてい)るほどマスの需要もある。
その時点で既にデザインとして市民権を得てますよね。
ダメージがアリで、フェードがナシ?明らかにおかしいですよね。
その違いは純粋な良し悪しではなく、単にデザインとしての認知度。
それだけだと思います。
色落ちやダメージにも同じことが言えると思いますが、フェードも
何年、何十年という長い時間、場所や日によって違う太陽の光、
気温や湿度で変化する空気、洗う水の性質やその流れの強弱、
そして着用する人のライフスタイルやクセなどなど・・
それぞれの無限かつ無作為な営みや現象を通して出来上がった
唯一無二の、半ば偶然、奇跡といってもいい産物なわけです。
1億円の盆栽だって自然が生んだ造形美には敵わないはず。
そんな奇跡を身に纏う。実はとても贅沢なことなんじゃないでしょうか。