だいぶ空きましてすみません。
キング・オブ・カーナビ―ストリートと呼ばれたモッズの創世主、ジョン・スティーヴン。
ケンジントンマーケットで、短くも強烈なインパクトを放ったアーティフィシャル・アイ。
イギリスのヴィンテージファッションといっても一言では語れませんが、
もしそれを王道と覇道の2つに分けられるとすれば、これらは覇道の方です。
正攻法のアプローチではまず触れることのない名前でしょう。
じゃあちょっと調べてみるか、着てみようかと思っても、
この2ブランドを知る資料や現存するアイテムは限りなく少ない。
ここで見なければ今後死ぬまで目にすることはないかもしれません。
でも要は着てどうかだろ、って意見もあると思います。確かにそうです。
素材やデザイン、着心地よりも、タグや年代にこだわるような価値観は
正直言って悪習です。それがヴィンテージをとっつきづらい存在にしてしまい、
一般に言われる「ファッション」から遠ざけてしまっている一因だと思うから。
それでもあえてここでブランドにこだわって伝えたいことは、
これらの服がレザーアンドレースがスタートから今までずっとこだわっている
”自分だけの特別なもの” に、なり得る服だからです。
決して首下に珍しいタグがあればそれで満足ってことじゃなく、
誰も着てないようなものを着たい、という欲求はヴィンテージに対して
正直で真っ当な姿勢だと思います。
ジョン・スティーヴンとアーティフィシャル・アイ。
モッズという新しいサブカルチャーが世に広まるきっかけとなったブランドと、
買えなきゃ自分で作る!というお金のないリアルパンクス達のスピリットを
受け継いでデザインに昇華した、唯一と言ってもいいブランド。
共感できる方によってこそ、この服に価値がうまれると思います。